中国人エンジニアの採用ガイド

20世紀終盤から驚くべき急成長により、世界経済の中心へと躍り出たアジアの大国・中国。技術的側面でも、今後さらに発展していくことが予測されています。中国人エンジニアを上手に活用することは、企業にとっても大きなメリットとなりそうです。

【地理・文化・政治・宗教観】中国ってどんな国?

アジア東部に広がる広大な国土を持つ中国の総人口は13億人以上。世界で一、二を競う人口数を誇っています。世界五大文明のひとつである『黄河文明』の時代から綿々と続く歴史を持っており、大国として日本を含むアジア諸国に与えてきた影響力の大きさは計りしれません。

そんな中国ですが、第二次世界大戦後に中国共産党が『中華人民共和国』を成立させ、文化大革命などに伴う権力闘争の過程を経て、一時は国力に翳りが見られるようになりました。しかし1970年代末から導入された改革開放が徐々に実を結び、2000年代には飛躍的な経済成長を実現。2010年にはアメリカに次ぐ、世界第2位のGDPを達成する、世界屈指の大国となっています。

一方、こうした経済成長に伴い、首都・北京はマスクなしで過ごせないほど、環境が悪化しました。また国外へ旅行できる自由と経済力を手にした中年以上の中国人が「マナーの悪さで諸外国から批判を浴びている」といった、負の側面も…。しかし、こうしたカルチャーギャップは、徐々に小さくなっていくはずです。

なお、中国では道教、仏教、キリスト教、そしてイスラム教が政府により公認されている宗教となります。特定の宗教に対し、職務に影響を及ぼすほど敬虔な信仰を持つ若者は少ないと考えられますが、採用前にはきちんと確認する機会を設けましょう。

【国民性】中国人エンジニアの特徴は?

現在の中国には理工系を重視する傾向があり、大学を卒業した人材の半数以上が理工系の教育を修めています。このため、優秀な人材は豊富。『中国のシリコンバレー』と呼ばれる深センをはじめ、中国各地には優れたIT企業が数多く存在しており、彼らはそこでさらにスキルを高めています。

中国人には「物事をはっきり述べる」という特徴があります。世界トップクラスの人口数を誇る国の中で自己実現を図っていくため、きちんと自己主張する方法を身につけているのです。

もうひとつの大きな特徴として挙げられるのは「面子を大切にする」という姿勢です。業務を進めていくうえでの失敗は誰でも経験しますが、中国人は誤りを素直に認めないだけでなく、公衆の面前での叱責を、強い侮辱と捉えます。しかし彼らの辞書には『反省』や『謝罪』もきちんと存在しています。日本人とは違うやり方で表現されることが、共に働くうちに理解できるようになるでしょう。

また近年、どの街でも見かける中国人は、常に集団で行動しています。『人付き合いが良い民族』に映るかもしれませんが、その見方は必ずしも正しくありません。縁のあった人物には家族的な待遇を提供しますが、そうでない人にはあくまで淡々と接するのが、中国人です。

【新卒・転職】中国人エンジニアの就活・採用事情

日本とは異なり、中国で教育機関の年度が変わるのは9月です。日本人は「中国の学生は9月の卒業時期を見据え、日本の大学生と同じように、前倒しで就職活動を行っているのだろう」と考えがち。しかし中国では『新卒者の一括採用』が一般的ではありません。その代わり採用は年間を通して行われているため「卒業の数ヶ月前から準備を始める」という学生も、数多くいるようです。

また中国では「未経験者を戦力に育て上げる」という使命を重視しておらず、即戦力を歓迎します(英語能力の高い人材は、さらに優遇されます)。このため、これといったスキルや専門性を持たない学生の多くはインターンとして雇用され、次のキャリアアップに備えるというかたちが、一般的となっています。

さらに中国人は、日本人のように終身雇用を前提とする考えを持ち合わせていません。転職は当たり前であり「将来、自分自身で起業する」ことを最終目標としている人材も多くなっています

【仕事観】中国人エンジニアが就職先を選ぶ際に重視するポイント

先述のように中国人は、日本に長らく存在してきた『終身雇用』という労働形態に馴染みません。国内外での転職率は非常に高く「これ以上ここで働いている意味がない」と考えれば、すぐ行動に移します。

中国人は「自分の能力を捧げ、企業の価値を高めることに貢献していく」という考え方はせず、あくまで「自分の能力と価値を高める」ことを重視します。そのため、現在の自分にないスキルを獲得できる企業には、積極的に応募するでしょう。

また、中国人は仕事以上にプライベートの時間を大切にします。このため休日が少ない、残業が多いと判断される企業へは、積極的に応募しません。

中国には他の国と違い「旧正月(2月)に新年を祝う」という習慣が根強く残っています。こうした文化に配慮してくれる企業であれば、積極的な応募を検討するかもしれません。

なお、気になる給与面ですが、現在の中国経済は日本よりも状況が良いため、わざわざ日本に行かなくても、国内で働いた方が稼げるケースはザラにあります。給与が低い企業の応募に人が集まらないのは当然ですが、無理に高く設定し過ぎるより、彼らが日本で働くメリットを実感しやすい『付加価値』を充実させる方が、得策かもしれません。

【どうやって出会う?】中国人エンジニアを採用する方法は?

外国人エンジニアの中でも、特に中国人を採用したいという場合、どうすべきなのでしょうか?以下に見ていきましょう。

1.人材派遣会社の利用

日本で働く外国人エンジニアの中で、最も多いのは中国人です。このため人材派遣会社も中国人の扱いに慣れており、企業に合う人材を派遣しやすい状況と言えるでしょう。中には中国人の派遣を専門に行う人材会社もあります。

また、中国人の場合は、首都圏のハローワークから紹介を受けることも可能となっています。

2.教育機関との連携

中国人留学生を受け入れている教育機関と信頼関係を築き、新卒者獲得を目指すのも、ひとつの方法です。

日本経済は目下下火になりつつあるため、近年の中国には、以前ほど「日本で就職したい」と考えている人材が多くありません。しかし、日本で留学経験を積んでいる学生の中には「このまま日本に残って働きたい」と考えている人材が多くいます。すでに日本社会に慣れているというのも大きなメリットで、就業後のトラブルを抑えられるでしょう。

【注意点】中国人エンジニアを採用する際に意識すること

中国人は、日本人のように周囲に合わせて自分の考えを簡単に曲げるようなことをあまりしない傾向があります。さらに、中国人と日本人のビジネスマナーには多くの相違点がありますので、きちんと指導に当たる必要があります。

例えば中国人は、結果に重きを置くため、業務中の報告や連絡を充分に行わないことがあります。また日本では、一度締結した契約書の内容を変更することはタブーですが、中国人は『珍しくないこと』と捉えています。こうした意識の違いが、大きなトラブルを生まないよう、注意しなくてはなりません。

また、採用過程で注意すべきなのは、経歴や教育などの内容です。中国人の中には『言ったもの勝ち』の勢いで、大げさな誇張を堂々と展開する人物もいます。すべてを鵜呑みにするのではなく、きちんと事実を照会する慎重さを忘れないでください。

なお多くの中国人にとって「ダラダラと長時間会議を続ける」、「慎重で自分の意見を言わない」という日本人の就労態度は、非合理的に映っています。せっかく雇用した中国人の早期離職を防ぐため、社内の悪しき習慣を改善していくための努力も必要となってきそうです。

中国人エンジニアの採用まとめ

中国と日本は同じアジアに存在し、距離も近いため、太古から交流がありました。戦争の歴史もあるため、中国にネガティブなイメージを持つ日本人も古い世代の人の中に一部いるかもしれません。

しかし今後経済面において、中国と日本との間に大きな差が広がっていくのは明らかです(そもそも日本が高度経済成長を遂げられたのは、中国共産党の政策の失敗が、尾を引いてくれたからでもあります)。雇用した中国人エンジニアを丁重に扱い、将来に繋がる良好な関係を築くことは、日本企業のサバイバル戦術のひとつとなりえることでしょう。

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