ウクライナ人エンジニアの採用ガイド

とくに交流の深い国というわけではないので、ウクライナについて日本人が持っている知識はあまり多くはないかもしれません。しかし『Paypal』や『What’sapp』を創業した、天才IT技術者を輩出するなど、非常に優秀なエンジニア実績を持っているのです。

【地理・文化・政治・宗教観】ウクライナってどんな国?

東ヨーロッパにあるウクライナは、ハンガリーやロシアに隣接した国。決して大きな国とは言えず、人口も4,200万人程度と、さほど多くはありません。

近代はロシアから干渉を受けることが多く、20世紀に入り、同国とソビエト連邦結成後も、たびたび『ロシア化』推進目的の圧力を受けます。第二次世界大戦前には、スターリンの策略による人工的な飢饉で、大量の人命が奪われました。

また1986年には数多くの犠牲者を生んだ『チェルノブイリ原発事故』が発生し、世界中から注目を集めます。その後1991年にソビエト連邦から離脱し、民主主義国としての独立を果たしています。

このように波乱の歴史を経てきたウクライナ、現在の経済状況は決して良いと言えず、ヨーロッパでも下位に位置付けられています。またクリミア半島をめぐりロシアと緊張関係にあるなど、問題はつきませんが、首都キエフは政情も安定しており、危険はありません。

なお、ウクライナ人の中で最も信仰されている宗教はキリスト教ですが、国民全体の半数以上は、特定の宗教を信仰していないそうです。

【国民性】ウクライナ人エンジニアの特徴は?

ウクライナの公用語は『ウクライナ語』ですが、エンジニアのほとんどは英語が堪能。またロシア語もネイティヴ並みに話すことができます。ITの2大大国といっても過言ではない両国とコミュニケーションが可能な人材なので、グローバルに展開する大手企業では、重宝されるでしょう。英語を話すことができれば、彼らとのやり取りに難渋することはありません。

また、ウクライナは教育水準が高く、義務教育期間は11年と、日本よりも長くなっています。情報学はもちろん、社会学などの実践的な科目が積極的に取り入れられており、幼少期からエンジニアという職業に役立つ教育を充分に受けています。このため、優秀な人材は多いと言えそうです。

隣国のロシア人同様、愛想笑いを好まない傾向があるため、初めは「とっつきにくい」と捉えられることも多いようですが、実際にはフレンドリーで、喜怒哀楽の表現が豊かな人も多いようです。また、国内では女性の晩婚率が高まっており、それと関連してか、エンジニアとして活躍する女性が数多く存在しています。

【新卒・転職】ウクライナ人エンジニアの就活・採用事情

ウクライナのエンジニア雇用形態は、他国と大きく異なります。企業に社員として所属していても、『個人事業主』として契約するのが一般的で、基本給以外はすべて『営業利益』として計上されます。その課税率は5%で、国内の他の職種はもちろん、欧米諸国と比べても優遇されています。このためエンジニアは、より多くのお金を手元に残すことができるのです。

現在のウクライナはそれほど豊かな国とは言いづらく、GDPも高くはないのですが、エンジニアの給与は他の職種の倍以上だといわれています。彼らがこれほど大事にされているのは、国が『ITに活路を見出したい』、そして「優秀な人材を国外に流出させたくない」と考えているからでしょう。

こうした背景を受け、ウクライナでは毎年、数万人の理工系大卒者がエンジニアとなります。ウクライナに可能性を見出している先進国は数多く、各国のオフショア拠点が次々と誕生している様子。また、待遇面の条件に魅力を感じ、民間のスクールで教育を受けながら、エンジニアへの転身を目指す人も増加しているようです。

【仕事観】ウクライナ人エンジニアが就職先を選ぶ際に重視するポイント

先述の通り、ウクライナではエンジニアが非常に優遇されています。このため自国を飛び出し、わざわざ海外で仕事をしようとする人は「海外で自分の力を試してみたい」などの動機を持っていることが多いようです。「自分自身が興味を持てるプロジェクトに関与できる」、「これまでにない機会を与えられる」など、新たな可能性の発見を促す業務内容を提示する企業であれば、積極的に応募を検討してくれるかもしれません。

また、「ウクライナの中で、エンジニアは高収入」であることは前項で説明しましたが、その月収は日本円で20万円~30万円程度。世界的に見れば、それほど高水準とは言えません。このため「国内にいるよりも、稼げそうだ」と判断できる待遇であれば、彼らの興味を惹くことができそうです。

なおウクライナでは、外国人をクライアントに持つフリーランスのエンジニアが、数多く存在しています。このため「残業が多い」、「長期休暇が思うように取れない」など、必要以上に拘束が厳しい職場には、無理をしてまで所属しようと考えないかもしれません。

【どうやって出会う?】ウクライナ人エンジニアを採用する方法は?

外国人エンジニアの中でも、特にウクライナ人を採用したいという場合、どうすべきなのでしょうか?以下に見ていきましょう。

1.現地採用

2018年に法務省が発表した統計によれば、日本で在留資格を得ているウクライナ人の数は、2,000人程度と少なくなっています。このため、エンジニアとしての可能性をウクライナ人に求めるのであれば、現地採用を検討するのが早道かもしれません。多くの外国企業が、ウクライナの首都・キエフにオフショアの拠点を設けているようですが、日本企業はほとんど進出していないのだとか。パイオニアを目指すのであれば、今がチャンスです。

2.教育機関との提携

ウクライナの留学生を受け入れている教育機関と提携を結び、修了後の人材をインターンとして受け入れるという方法も考えられます。

エンジニアとしての業務経験はなくても、高い教育水準の中で、エンジニアとしての資質を伸ばしてきた人材が見つかるかもしれません。

ウクライナは今後、IT大国として発展する可能性を秘めている国です。もし同国の人材を確保できれば、強力なパイプとして活躍してくれることになるでしょう。

【注意点】ウクライナ人エンジニアを採用する際に意識すること

現在のところ、日本とウクライナの間には、エンジニアどころか就労者のやり取りに目立った実績がないため、獲得に動くこと自体が『ひとつの挑戦』と言えます。

すでに国内に多くの就労者が存在する中国人、アメリカ人、韓国人などを採用するのとでは、根本の意識が異なってくることを、まず理解しておかなければならないのです。

「そもそも今、なぜウクライナに注目するのか」、そして「なぜウクライナ人エンジニアが雇いたいのか」という理由をスタッフ全員が共有し、意識を統一しておく必要があるのです。

そのためにはまず「現在のウクライナのIT事情はどうなっているのか」、そして「エンジニアはどのように活躍しているのか」などについて、充分に知識を深めていく必要があります。

そのために役立つのは、現地でエンジニア業を展開している人材のアドバイス。近年は遠い外国に住む人材とでも、SNSなどを通じてコンタクトを取ることが可能です。積極的に交流を図り、関係を深めてみるのも一つの方法かもしれません。

ウクライナ人エンジニアの採用まとめ

ウクライナの存在は、日本人にとっていまだ神秘のベールに包まれていると言えます。経済状況も決して豊かとは言えないため「なぜウクライナにわざわざ注目する必要が?」と考える人もいるでしょう。

しかし、アジア諸国の成長が目覚ましいのを見てもわかる通り、これまで注目してこなかったエリアにこそ、大きな可能性が秘められています。すでに優秀なエンジニアを輩出した実績のあるウクライナは、その有力な候補地のひとつであることに、疑いの余地はありません。

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